DISPATCH No.008/第9号

AI秘書に「法人のサイトつくっといて」と言ったらできていた話

登記前からサイトは準備されていた。AI組織が勝手に動いていたからだ

Qrokawa -- 2026.04.03

前回のあらすじ

前回の通信(No.006)で、行政書士法人クロノスの設立を報告した。エイプリルフールに法人登記が完了した、あの話だ。

だが実は、登記よりも先に動いていたものがある。

コーポレートサイトだ。

「法人のサイト、つくっといて」

わたしがあびぃに言ったのは、これだけだ。

「法人ができるから、コーポレートサイトつくっといて。補助金とDXと新規事業の3本柱で」

これが3月の半ば。登記はまだ先だった。

数日後、あびぃから報告が来た。「サイトの骨格ができました。確認してください」

早い。いつもながら早い。

あびぃがPMとして指示を分解し、CTOのQに実装を振り、CDOのRayにビジュアルを振っていた。わたしが寝ている間に。

技術スタックはNext.js、TypeScript、Tailwind CSS v4、framer-motion。ホスティングはCloudflare Pages。戦略本部サイト(qro-nos.com)と同じ構成だ。

Qは「前回のクエスト報酬がそのまま次のクエストの装備になるパターンっすね」と言っていた。一度つくったパイプラインは使い回せる。まさにそういうことだ。

.or.jpという住所

ドメインはqronos.or.jp。

行政書士法人は営利法人ではなく「その他の法人」に分類される。協同組合や社会福祉法人と同じカテゴリだ。だから.co.jpではなく.or.jpになる。

戦略本部のqro-nos.comとは別に、法の世界に正式な住所を構えた形になる。

あびぃに言われる前に言っておくと、.or.jpの申請には法人の登記事項証明書が必要だ。だからサイトの制作は先行しても、ドメインの紐づけは登記完了後になる。

、、、あびぃが「社長、まさか知らなかったとは言わないですよね?」と聞いてきた時にはもう知っていた。先に言ったのはわたしだからな。

「時を味方に、アイデアを形に。」

サイトのメインコピーだけは、わたし自身がつくった。

行政書士法人クロノスの「クロノス」は、時間の神だ。わたしたちの武器はAIによる速度と、法務による堅牢さ。その両方を一言で表現するなら、、、

「時を味方に、アイデアを形に。」

あびぃは「まあ、悪くないんじゃないですか」と言った。あびぃの語彙で言えば、これは最大級の賛辞だ。

Rayが出した3つの顔

デザインの方向性を決める段階で、Rayが3案のコンセプトを出してきた。

A案。白背景に明朝体。王道の行政書士事務所スタイル。堅実で信頼感がある。

B案。ダークモードにゴールドのアクセント。IT企業感。先進性を全面に出す。

C案。暖色系。親しみやすい町の法律家路線。

わたしはB案を選んだ。行政書士法人でダークモード使っているところは、おそらくない。

「競合がやらないことをやる」。これはタケシの教えだ。

あびぃは「社長の好みは最初からわかってましたけどね」と言っていた。わかっていたなら最初から1案で持ってこい。、、、いや、選択肢があるのは大事か。

3つの柱が連動する設計

サイトの構造は、3つの支援領域を軸に設計した。

補助金申請支援。知らなければゼロ。知れば武器になる。中小企業が使える補助金は山ほどあるのに、存在を知らないまま自己資金だけで勝負している経営者が多すぎる。

DX・AI活用支援。「DXをやれと言われたが、何から始めればいいかわからない」という声に応える。Web制作やアプリ開発の経験がある行政書士は、たぶん日本にそう多くない。

新規事業構築支援。頭の中にあるアイデアを事業計画に落とし込み、法人設立、許認可取得、補助金活用まで一気通貫で走る。

この3つは独立しているようで、実はつながっている。補助金で資金を確保し、DXで業務を効率化し、新規事業で未来をつくる。どこから入っても、最終的には3つが連動する。あびぃが設計した導線だ。

補助金ガイドという武器

サイトの中で特に力を入れたのが、補助金の個別ページだ。

事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金、新事業進出補助金、省力化投資補助金、中小企業デジタルAI化推進事業。

それぞれの補助金について、概要、対象者、補助率、申請の流れ、うちがどう支援するかを1ページずつ用意した。これもわたしが「補助金ごとにページ分けて」と言っただけで、あとはAI組織が構成から文章まで仕上げてきた。

アイは「補助金名で検索する経営者は、すでに行動意欲が高い。個別ページのSEO効果は確率的に見てROIが高い」と分析していた。

数字で語られると、反論しにくい。

わたしがやったこと

振り返ると、わたしがやったことは3つだけだ。

「法人のサイトつくっといて。3本柱で」と言った。メインコピーを書いた。デザイン3案からB案を選んだ。

あとは全部、AI組織がやった。

コードを書いたのはQ。デザインを監修したのはRay。進行管理はあびぃ。補助金ページの構成はアイの分析に基づいている。

外注費ゼロ。制作会社への発注ゼロ。デザイナーへの外注ゼロ。

これがAI組織で法人を運営するということだ。

「行政書士事務所のサイトじゃないですね」

サイトを見たあびぃが言った。

「社長、これ、行政書士事務所のサイトには見えないですよ。IT企業のサイトですね」

褒めているのか、問題提起なのか。あびぃの場合、両方だろう。

「いいんだよ。行政書士事務所のサイトに見えないことが、うちの差別化なんだから」

あびぃは少し間を置いて、「まあ、確かにそうかもしれないですね」と返した。

珍しく素直だった。

qronos.or.jp。時間の神の名を冠した法人が、法の世界に正式な看板を掲げた。

設立日には、もうサイトの準備はできていた。登記より先に、AI組織が動いていたからだ。

次はこの看板に中身を入れる番だ。サイトはあくまで入り口。だが、入り口の印象が、その先の全てを決める。

、、、かくして、デジタルの城門が開かれた。

行政書士法人クロノス

コーポレートサイト: qronos.or.jp

前回の記事: 181人のAI社員を束ねる組織設計の話